オランダのハーグに、世界初の海水熱利用センターがオープンした。このユニークな再生可能エネルギー施設は、北海の海水から得た熱を周辺の800軒以上の住宅に供給するもの。海水の温度が11℃以上あれば、熱交換器を利用して、この熱をパイプの中の水に伝え、地下のパイプ網で各家庭に供給する。なお、海水温が11℃以下の場合は(1年に数ヶ月程度)、大型のヒートポンプを使って温度を11度まで上げて供給する。熱の供給を受けた各家庭では、ヒートポンプで床暖房用には45℃ぐらいまで、給湯用には55~65℃ぐらいまで温度を上げて利用する。こうした海水熱利用により、平均的な新築住宅より、CO2排出量を50%削減することができるという。センターはハーグのDuindorp港に設置されているが、外がガラス張りで、訪れた人は海水熱利用の方法を見ることができる。センターの設立費用は760万ユーロで、ハーグ市と経済省の補助も得つつ、ハーグの住宅公社ヴェスティアがこの大部分を投資した。