ドイツ連邦環境省(BMU)は、ドイツのバーデン・ビュッテンベルク州ジンゲンにあるゲオルグ・フィッシャー自動車部品鋳造社が行うパイロット事業に、環境イノベーションプログラムから70万ユーロを補助すると発表した。同社は自動車部品の開発・製造会社で、高温で鉄を溶解する際に大量の熱エネルギーを放出していた。今後は、このパイロット事業により、隣接するネスレ社の食品工場がその廃熱を利用する。ネスレ社は一年を通してこの熱エネルギーを活用することで、これまで利用していた天然ガスが不要となり、CO2排出量を年間1万1000トン以上削減できる。ガブリエル環境大臣は、多くの企業が自社で不要となった熱を捨ててしまっているが、これではお金や貴重な資源を無駄にし、気候を悪化させてしまうと指摘。企業は緊密に協働し、シナジー効果を活用すべきだとして、今回の事業について、「エネルギー効率化の優れた事例で、環境と経済が両立することを示すものだ」と評価している。