世界資源研究所(WRI)は、世界の商社や商品生産者、小売業など大手20社が銀行や研究機関と組んで、森林減少の監視と持続可能な農業生産のための新たなパートナーシップを開始したと発表した。森林減少は企業や投資家にとっても大きなリスクとなる。これまでに世界の366社(2.9兆ドルに相当)がサプライチェーンから森林減少をなくすことを約束しているが、その実行のためには情報が必要だという。パートナーシップ各社は、すでに稼働しているWRIの「グローバル・フォレスト・ウォッチ(GFW)コモディティ」プラットフォームを拡大し、衛星を用いた監視力によって森林減少リスクを評価するオンラインツールを構築する。これにより企業や銀行は、商品価格や株式市場を監視するのと同様に、森林の監視をそのビジネス戦略に組み込み、たとえば森林の被覆減少や火災の監視、問題の緩和や解決への情報収集などに活かすという。各社は2018年にかけてツール設計のため情報や意見を提供する予定で、サプライチェーンでのツールの試験も視野に入れている。