世界気象機関(WMO)は、「オゾン調査管理者(ORM)」第10回会合で、有害な紫外線から人々を守るオゾン層の保護対策が気候にも有益となるよう、統合型の地球科学観測が欠かせないとの結論に至ったと報告した。オゾン層、大気化学、交通、気候変動の複雑な関係の理解が引き続き重要だという。たとえば、CFC、HCFC等のオゾン層破壊物質(ODS)は強力な温室効果ガスでもあり、その段階的廃止は気候にも有益となった。ODSの代替として使われるようになったHFCも温室効果が高く、その削減が2016年に決定された。このほか3月の北極上空の成層圏のオゾン量と3~4月の対流圏の気象には相関関係があること、南極上空のオゾンホールが南半球の夏季の気候を変化させたこと等も判明している。ORMは、2017年11月に開かれるウィーン条約締約国会議に対し、モントリオール議定書の効果を監視するための広範なデータ分析、今後のオゾン層の変化を左右する一酸化二窒素やメタン等の監視強化、議定書締約国の科学的能力の強化を図る作業部会の設立等を提言する。
情報源 | 世界気象機関(WMO) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 世界気象機関(WMO) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 世界気象機関 | WMO | 温室効果ガス | オゾン層 | 気候 | モントリオール議定書 | 観測 | 破壊物質 | ウィーン条約 | ODS |
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