世界気象機関(WMO)の熱帯低気圧気候影響専門家チームは、ハリケーン「ハービー」と人為起源の気候変動の関係可能性についての見解を公表した。ハービーはテキサス州ヒューストン一帯に上陸、数日間停滞して記録的大雨をもたらした。上陸前に通過したメキシコ湾西部は、普段より2℃ほど海水温が高かった。チームの見解によれば、人為起源の気候変動がハービーのような強力なハリケーンを引き起こすことを示す確かな証拠はないが、ハービーの膨大な降水量等をもたらした間接的な原因になった可能性があるという。それは、1)海面温度が上昇すると大気中の水蒸気量が増え、水蒸気量が多いとハリケーンの降水量も増えることが気候モデルのシミュレーションで示されている、2)地表近くの水蒸気量が人為的影響で増えていることはIPCC第5次評価報告書で中程度に確実とされている、3)ハリケーンの降水プロセス、から予想されるとしている。また、さまざまな研究により、気候が温暖化するとハリケーンが強力になりやすいこと、一般的にはアメリカで沿岸部の広範な開発がハリケーンの被害拡大につながること等も判明していると指摘した。
情報源 | 世界気象機関(WMO) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 世界気象機関(WMO) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 気候変動 | 世界気象機関 | WMO | ハリケーン | 海面温度 | メキシコ湾 | テキサス州 | 熱帯低気圧 |
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