カナダ環境・気候変動省は、石炭火力発電所のCO2排出削減規則改正案と天然ガス火力発電所のCO2排出制限規則案を公表した。改正案は、現行規則では目標年の2030年以降も操業すると考えられる従来型石炭火力発電所を対象とし、これら施設はCO2回収・貯留設備等の利用による排出基準(420トン/ギガワット時)の順守か、全耐用年数の経過以前または2029年以前の操業廃止を選択することになる。天然ガス火力発電に関する規則案は、石炭から天然ガスへの転換、新規及び転換施設の排出基準順守、クリーン技術への安定的で十分な投資の確保を目的とし、改正案を補完する。今回の提案により石炭火力発電の段階的廃止が加速され、2019年から2055年の間にCO2排出量は累積で1億トン、2030年まででは1600万トンが削減されるという。同省は同時に、石炭火力発電廃止の影響を受ける発電所や炭鉱の労働者と地域社会の公正な移行を図るための専門委員会の設置を発表した。