EUで毎年発生している森林火災により、市民は危険にさらされ、経済的にも多大なコストが生じ、自然や野生生物にも影響が及んでいる。こうした事態に対し、人工衛星によって、危険な地域に関する地図を迅速に策定する「SAFERプロジェクト」に、欧州委員会の支援を受けて55団体が取り組んでいる。この事業は2009年1月にスタートし、事業総額は3930万ユーロ。「環境と安全のための地球観測(GMES)」プログラムの一部として実施されている。SAFERの重点課題としては、緊急事態が発生してから6時間後という目標で対応のための地図を迅速に策定すること、消防隊や他の緊急事態対応サービス等の救助活動を支援するために暫定的な評価のための地図を24時間以内に提供することが挙げられている。衛星情報が無ければ、こうした情報収集は手作業となり時間を要する困難な作業になるおそれがある。このプロジェクトは、フランスのマルセイユ周辺、地中海のコルシカ島、サルジニア島での森林火災の際に役立つことが証明されている。