イギリス気象庁(MetOffice)などは、局地的な極端気象を反映できる高解像度気候モデルを国の気候予測に組み入れたと発表した。高解像度モデルは、従来比10倍の2.2kmメッシュの細かさで、雷雨の発生、山地や海岸線、都市の影響、及び1時間降水量をシミュレートできる。これまでは困難だった、集中豪雨等の局地的な極端気象のリスクを把握するのに役立つという。高解像度モデルによると、温室効果ガス(GHG)の大気中濃度が高く、世界の気温が約4.0℃上昇するとされるシナリオ(RCP8.5)では、例えば、2070年までに1981~2000年比で次のことが予測されている。1)通常2年に1回起きるような極端気象に伴う降水の強度が25%増す、2)1時間降水量が30mmを超える日が約5年に一度へとほぼ倍増する、3)同国南部で2日以上連続で30℃を超える日が16倍に増え、年に4回近く発生する。同庁は、将来的な雨の降り方や異常高温への理解を深めることは、気候変動に対する回復力を構築するうえで不可欠だとしている。