土壌微生物が大気中に放出する二酸化炭素、温暖化が進んでも、予想ほど増加せず

発表日:2010.04.25

土壌微生物がこれまで予測されていたほど温暖化を加速しないという研究成果が、カリフォルニア大学アーバイン校、コロラド州立大学、エール大学の科学者らの研究により示された。土壌微生物は、産生する酵素の働きで土壌中の炭素を二酸化炭素に変換し、大気中に放出することから、気候変動に大きく関与している。従来の科学的知見では、温暖化で気温が数度でも上昇すると、土壌中の炭素を消費する微生物の活動が過剰に活発化し、これに伴い、微生物の増殖によって大気中への二酸化炭素放出が加速されるとしていた。しかしコンピューターモデルを開発して実施した今回の研究では、温暖化が進んだ場合、微生物による土壌の分解とそれに伴う二酸化炭素の放出は、初め増大するものの、しだいに微生物の増殖速度が鈍化し、酵素の産生速度も低下するため、大気中への二酸化炭素の放出量も減少することが示された。この分野でのさらなる研究は気候予測の不確実性低減に役立つため、今後は多様な微生物や生態系を組み込んだモデルの開発が必要であるという。

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