世界の海洋上層は温暖化が進んでおり、気候変動が強く示唆されることが1993年から2008年にかけて行われた共同研究の結果わかった。海洋上層に蓄えられた熱エネルギーは膨大で、約67億の世界人口の一人ひとりに、100ワット電球500個分の電力を16年間連続して供給できる量だという。この研究は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)、同航空宇宙局(NASA)、イギリス気象庁ハドレーセンター、ドイツハンブルク大学、日本気象庁の科学者チームによって実施されたもので、従来の投下式水温水深計(XBT)のほか、新たにアルゴフロート(自動的に浮き沈みしながら、水温、塩分、海流などを測定し、データを衛星経由で送る機器)による観測データも利用して、海洋上層の貯熱量を推定し分析した。その結果、海洋は地球の気候システムで最大の蓄熱器であり、地表の温暖化の80~90%が最終的に海洋に蓄えられることがわかってきた。海水温が上がれば水の体積が膨張することから、海洋の温暖化は世界の海面上昇の直接的な原因となる。研究チームは、地球の海面上昇の原因のうち、3~5割ほどがこの膨張によるものだとしている。
情報源 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | NOAA | 地球温暖化 | 気象庁 | 海洋 | 水温 | アメリカ海洋大気庁 | NASA | 蓄熱 | アルゴフロート | XBT |
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