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 アメリカ沿岸で貧酸素海域が拡大、アメリカ調査報告書が警告

発表日:2010.09.03


  アメリカ環境保護庁、農務省、地質調査所等、連邦政府の複数機関による報告書『アメリカ沿岸海域の貧酸素状況の科学的評価』が公開された。この報告書によると、酸素レベルが低下して魚介類等の動物の生存が脅かされる「死のゾーン」の発生頻度は、アメリカ沿岸海域で1960年以降30倍近く増加し、海生動物の生息地が破壊されているという。調査対象647水路の50%近くに貧酸素水塊発生の記録があり、中でもメキシコ湾は世界最大の死のゾーン発生地である。また、大西洋沿岸や、太平洋側のワシントン・オレゴン両州沿岸にも、1980年代から貧酸素海域は広がっている。異常な貧酸素状態は、農地の肥料、下水、大気汚染といった人間活動による窒素やリン等の栄養分が水路へ流入し、その栄養により大量発生する藻類が、酸素消耗型のバクテリアによって分解されることで発生するとされ、気候変動も一因と疑われている。また、こうした貧酸素水域の発生によって、漁業では数十億ドルの経済損失が生じると危惧されている。報告書では、一部に改善はあるものの、全体的には貧酸素海域の拡大に歯止めはかかっていないとしている。

情報源 アメリカ環境保護庁(EPA) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ環境保護庁(EPA)
分野 水・土壌環境
キーワード リン | アメリカ環境保護庁 | EPA | 漁業 | 窒素 | 貧酸素水塊 | メキシコ湾 | 海域 | 富栄養化 | 死のゾーン
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