イギリス気象庁は、産業に起因する大気汚染が、大西洋の海水温変化とそれにつながる干ばつ、洪水、ハリケーン等の自然災害の大きな要因だとする研究結果を報告した。20世紀に大西洋で観測された数十年周期の海水温変動は「大西洋数十年規模振動」(AMO)と呼ばれ、アフリカ、南米、インドの降水パターンに影響するほか、北大西洋のハリケーンにも関係すると考えられている。同庁では、産業が排出する粒子状の大気汚染物質により、雲の太陽光反射作用が高まることを最新の気候モデルに加味し、AMOの再現に初めて成功。その結果、大西洋周辺諸国で産業大気汚染が激しかった時期に海水温が低下し、1990年代に汚染解消が進むと海水温が上昇するなど、大気汚染の変化とAMOとの間に明確な関連が示唆されたという。同庁は、この研究は人間活動がすでに大規模な地域的気候変動を引き起こしていたことを示し、将来的な変動の予測につながるとしながらも、気候変動の仕組み解明には、他の気候モデルによるさらなる研究が必要だとしている。
情報源 | イギリス気象庁(MetOffice) プレスリリース |
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国・地域 | イギリス |
機関 | イギリス気象庁(MetOffice) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 大気汚染 | 気候変動 | 粒子状物質 | 雲 | 気候モデル | イギリス気象庁 | 海水温 | 反射 | 大西洋 | MetOffice |
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