イギリス気象庁は、産業汚染物質の硫酸エアロゾルが、温暖化に伴う降水量増加を抑制したとの研究結果を報告した。温室効果ガスの増加は、水循環を加速させ降水量増加をもたらすと考えられていたが、20世紀に世界の平均気温は0.8℃上昇したものの、陸地での平均降水量は増加していない。今回の研究で観測記録と気候モデルを用いて精査した結果、降水量は1950年代~80年代に減少、その後は増加していることが判明した。これは、地表の温かい空気が上昇し、上空で冷却、大気中水分が凝縮して雨となる水循環プロセスへの、硫酸エアロゾルの影響だと考えられる。硫酸エアロゾルには、太陽光を反射し地表への放射を遮る効果があるため、地表を冷却し、上昇気流と降水量が減少する。1980年代に大気汚染防止法令が実施されたことで、硫酸エアロゾルが減少し、その冷却効果が一部低下したため、この水循環が活発になったという。今後も気温上昇が続き、硫酸エアロゾルが減少すれば、世界の降水量は急激に増加する可能性があると、報告書では結論付けている。
情報源 | イギリス気象庁(MetOffice) プレスリリース |
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国・地域 | イギリス |
機関 | イギリス気象庁(MetOffice) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 大気汚染 | 温室効果ガス | 水循環 | 気候モデル | 汚染物質 | 降水量 | イギリス気象庁 | 温暖化 | MetOffice | 硫酸エアロゾル |
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