国立環境研究所は、電力中央研究所、中央農業総合研究センター及び岡山大学と共同で、光化学オキシダントでコメの収穫量が減る新たな要因を解明したと発表した。光化学オキシダントの主要成分であるオゾンによるイネの収量低下には、可視障害による光合成能力の低下とは異なる未知の機構があると予想されていた。今回、オゾンに対して異なる応答を示すイネ品種(ササニシキ・ハバタキ)を用いて、遺伝学的解析、分子生物学的解析及び生理学的解析を実施。その結果、オゾンにより穂の枝分かれを制御する遺伝子の機能が低下することで、枝分かれの数が減少し、これが収量低下を引き起こしていること、さらに、この遺伝子の機能低下の過程には、葉の可視障害軽減に働く植物ホルモン(ジャスモン酸やアブシジン酸)が関与していること、が示された。オゾンによるイネの収量低下は、従来から提唱されていた葉の可視障害に伴う光合成の低下ではなく、穂の枝分かれを制御する遺伝子の機能低下によるものであることを初めて明らかにしたという。
情報源 |
国立環境研究所 報道発表
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機関 | 国立環境研究所 (一財)電力中央研究所 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 岡山大学 |
分野 |
自然環境 大気環境 |
キーワード | 国立環境研究所 | 電力中央研究所 | オゾン | イネ | 光化学オキシダント | 光合成 | コメ | 中央農業総合研究センター | 岡山大学 |
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