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 京都大など、暖冬による不完全な冬季の鉛直混合が、夏の湖底のメタン生成を増大させると発表

発表日:2015.06.30


  京都大学、総合地球環境学研究所及び北海道大学は、台湾中央研究院との国際研究グループが、暖冬による湖の不完全な冬季の鉛直混合が、翌夏の湖底でのメタン生成の増大に繋がることを明らかにしたと発表した。亜熱帯湖沼では、冬に表層の水温が下がり湖水の水温が均一になることで鉛直方向に混合する。不完全な鉛直混合にとどまった時には、底層に貧酸素状態が形成されることが指摘されてきた。今回、亜熱帯気候下の台北市に位置する翡翠水庫において、完全に湖底まで鉛直混合した冬と不完全な混合であった暖冬の2か年にわたり、詳細なメタン動態の調査を行った。その結果、暖冬時には不完全な混合のため、底層まで酸素の供給が行き届かず、貧酸素状態が底部で継続することが観測された。この貧酸素状態の継続が、暖冬の翌夏の底層メタン生成に影響し、その前の夏に比べメタン濃度が3~4オーダーも高くなることが明らかになった。この結果は、地球温暖化が進んだ際に、亜熱帯湖のメタン動態がどのような影響を受けるか、ということを考える上でも重要なヒントを与えるという。

情報源 京都大学 研究成果
北海道大学 プレスリリース(PDF)
機関 京都大学 総合地球環境学研究所 北海道大学
分野 地球環境
キーワード 地球温暖化 | 温室効果ガス | 京都大学 | メタン | 北海道大学 | 貧酸素 | 総合地球環境学研究所 | 台湾中央研究院 | 亜熱帯湖 | 鉛直混合
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