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 北海道大と極地研、北極海の夏の海氷が激減したメカニズムを解明

発表日:2017.08.29


  北海道大学と国立極地研究所は、北極海の夏の海氷が激減したメカニズムを解明した。今回の研究では、海氷減少が主に生じている海域に対し、衛星観測海氷データ(密接度・漂流速度・厚さ)や大気客観解析データ等を用いて、海氷域内へ入る日射等の熱量、海氷融解量、海氷発散量(海氷が拡がる方向に動く割合)等を詳細に計算・解析した。その結果、日射に対する反射率(アルベド)が黒い開水面では白い海氷表面より小さいため、海氷域で水開き(開水面)が一旦広がると、開水面から吸収された日射による熱により海氷が融解され、さらに開水面を広げ海氷融解を加速する「海氷-海洋アルベドフィードバック」が重要な要因であることを明らかにした。2000年代以降、多年氷などの厚く動きにくい海氷が減ることで発散量が増加し、フィードバックが働きやすくなったことが海氷激減の一因と考えられる。この成果から、春(融解初期の5-6月)の海氷発散量がわかると、その年の海氷がどこまで後退するか予測できる可能性が示されたという。

情報源 北海道大学 プレスリリース(PDF:1,043KB)
国立極地研究所 研究成果
機関 北海道大学 国立極地研究所
分野 地球環境
キーワード 地球温暖化 | 北極海 | 北海道大学 | 海氷 | 観測 | 融解 | 日射 | 国立極地研究所 | 発散量
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