宇部興産(株)と三菱商事(株)は、タイで進めているカプロラクタム工場のN2O削減CDM事業が、2009年6月16日に国連に登録されたと発表した。カプロラクタムとは、ナイロン6(繊維向け、エンジニアリングプラスチック向けが主な用途のナイロン)の原料であり、その製造工程で温室効果ガスのN2Oが発生する。今回、カプロラクタム製造工程のN2O削減事業としては世界で初めて、宇部興産のタイにおける子会社「タイカプロラクタム社」でのN2O削減CDM事業が国連に登録された。同事業では、工場より排気されるN2Oの排出量削減を目的として、触媒によるN2O分解プラントを追加設置し、2009年6月から2012年末までの間、合計約53万トン(CO2換算)の排出権(CER)を獲得する予定という。この事業は、宇部興産にとっては初のCDM登録プロジェクトであり、三菱商事では、30件目の国連登録CDMプロジェクトになる。