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 熊本大など、新規用途開発が期待できる「ナノグラフェン分子膜」作製技術を開発

発表日:2018.10.31


  熊本大学と東京工業大学の研究グループは、有機半導体や分子デバイス材料として期待されている「ナノグラフェン」の分子膜作製技術を開発した。同研究グループは、難溶性のナノグラフェン分子と「V字型アントラセン分子」(Yoshizawa et al., ACIE 2013)を乳鉢と乳棒で混合した後に水を添加することで、ナノグラフェンのカプセル化による水溶化を達成した。親水性と疎水性の両方の性質を有する「ミセル」構造を形成するこのカプセル内包体は、あたかも貨物コンテナのように振る舞いナノグラフェンを基板表面近傍まで輸送し、基板に吸着させ、規則正しく並べる「高配向組織化」に成功した。また、電気化学走査型トンネル顕微鏡を用いて、この技術(以下、「分子コンテナ法」という)で金電極表面に作製したナノグラフェン分子膜の分子レベル解像にも成功した。「分子コンテナ法」は、巨大な構造を有する疎水性分子群にも適用可能で有機溶媒の添加を必要としないことから、次世代の機能性ナノ材料の作製・分析への応用や、生体や環境にやさしい新しいコンセプトの技術としての展開が期待できるという。

情報源 熊本大学 ニュース
東京工業大学 研究
機関 熊本大学 東京工業大学
分野 環境総合
キーワード 東京工業大学 | 有機溶媒 | 熊本大学 | 有機半導体 | 分子デバイス | ナノグラフェン | ミセル高配向組織化 | 電気化学走査型トンネル顕微鏡 | 分子コンテナ法 | 機能性ナノ材料
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