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 産総研と森林総研、粘土とリグニンからなる紫外線カットフィルムを開発

  （国研）産業技術総合研究所（産総研）と（国研）森林研究・整備機構森林総合研究所（森林総研）は、農業用被覆材に適した新たな膜材料開発の成果を発表した。産総研は「粘土を主成分とする膜材料（既開発品）」の実用化を進めており、森林総研は植物の主成分のひとつ「リグニン」の新たな抽出法や機能材料の開発に取り組んでいる。今回、当該膜材料に2016年に両者が開発したマイルドな方法（同時酵素糖化粉砕法）を用いて抽出した「水分散性リグニンナノ粒子」を加えることで、単体では得られなかった、従来品と同等あるいはそれ以上の特性を付与することに成功した（紫外線吸収性：約99%カット、自立膜の作製による水蒸気透過性：1,100 g/m2・day）。こうした特性はナノメートルレベルで積層した粘土とリグニンが作る空隙に由来するもので、1)石油由来成分を使用していない、2)土壌へのすき込み処理も可能な、3)農業用「紫外線カット透湿フィルム」としての活用が期待できるという。