(国研)日本原子力研究開発機構(JAEA)は「熱化学水素製造法(ISプロセス)」の連続水素製造に成功したと発表した。ヨウ素(I)と硫黄(S)を用いる「ISプロセス」は、3つの反応工程(硫酸分解、ブンゼン反応、HI分解)からなるもので、「水蒸気改質法」のように化石燃料を使用せず、再エネを活用した「水の電気分解」のコスト面の課題を克服し、それらに代わる水素製造法として注目されているもの。JAEAはラボレベルの水素製造試験装置(ガラス製)を開発し、1週間の連続水素製造に成功している(2004年)。今回、既存の装置を改良し、長時間運転の目安となる150時間の連続水素製造に成功したことで、実用工業材料(炭化ケイ素セラミックス、フッ素樹脂ライニング材、耐熱・耐食合金のニッケル基合金など)を使用した機器の実用化や、950 ℃の熱を供給できる原子炉(高温ガス炉)との組合せに見通しがついたという。