北海道大学、九州大学などの研究グループは、サンゴ骨格から地震に伴う海底の隆起や津波(地震イベント)を読み解く手法の有効性を検証した。大規模な地震イベントはサンゴに少なからぬ影響をおよぼすと考えられているが、イベント発生前後のサンゴ礁環境の評価手法は確立されていなかった。同研究グループは、サンゴ骨格の成長に対する地震イベントの影響メカニズムを想定しつつ、スマトラ島沖地震(発生年月:2004年12月、2005年3月)の震源地に挟まれた造礁サンゴ生息可能域を調査した。同地で採取した柱状試料(コア)を用いて、サンゴ骨格の軟X線画像による骨格密度の解析や化学分析、骨格表面の詳細な観察などを行った結果、複数の古環境復元指標(シグナル)の検出に成功し、グリーンバンドと呼ばれる緑色のバンド状部位や、骨格に取り込まれた微小な土砂粒といった地震イベントの痕跡が確認された。今回の手法を現生サンゴのみならず、化石サンゴに応用できれば、サンゴ骨格を「古地震記録計」のように活用できるという。
情報源 |
北海道大学 新着情報
九州大学 研究成果 |
---|---|
機関 | 北海道大学 九州大学 NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 九州大学 | 北海道大学 | サンゴ | 地震 | 津波 | 隆起 | 喜界島サンゴ礁科学研究所 | スマトラ島沖地震 | 軟X線画像 | グリーンバンド |
関連ニュース |
|