東京工業大学は、下水の高度処理(現行プロセス:微生物による硝化・脱窒)を、アンモニア「資源化」プロセスに代える触媒反応を見出した。下水の高度処理には多くのエネルギーが投入されており、大気中に窒素を放出する過程で温室効果ガスの増加につながる可能性もある。同大学は、アンモニウムイオン(NH4+)を窒素分子に戻すよりも、構造や結合を保持して他の物質に変換したほうがエネルギー的に有利であると考え、高価な遷移金属を含まない「有機塩基触媒」を利用した有機合成的なプロセスを着想した。今回、3つのNH4+の炭酸塩類を用いて触媒反応スクリーニングなどを行った結果、すべての炭酸塩から「尿素」を合成することに成功した。また、特定の炭酸塩と触媒を組み合わせ反応条件の最適化を行ったところ、尿素の収率は最大35%に達し、工業的な化学合成プロセスの条件よりも低い温度で、高圧におかなくても反応が進むことを見出した。現行プロセスへの組み込みや、NH4+のさらなる活用に向けた検討を継続するという。
情報源 |
東京工業大学 東工大ニュース
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機関 | 東京工業大学 産業技術総合研究所 |
分野 |
水・土壌環境 環境総合 |
キーワード | 高度処理 | 温室効果ガス | 東京工業大学 | 資源化 | 硝化 | アンモニア | 尿素 | 脱窒 | 触媒反応 | 有機塩基触媒 |
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