(独)国際農林水産業研究センターは、窒素肥料の損失を植物が抑制する仕組みを解明し、環境問題の解決に寄与できる可能性があると発表した。土壌中の窒素肥料の損失は、微生物による硝化(アンモニアが亜硝酸を経て、硝酸へと酸化される反応)が原因とされている。同センターはこれまで、熱帯イネ科の牧草などの硝化抑制作用を明らかにしており、今回さらに、この作用を司る新規物質を発見し、牧草の硝化抑制作用のうち6~9割は同物質に起因していることを解明した。また、同物質を根から放出するためには、土壌中のアンモニウムイオンの存在が必要であることも明らかにした。さらに、3年間この牧草を栽培した牧草地では、裸地や大豆を栽培した場合に比べて、土壌の硝化作用が9割、温室効果ガスである一酸化二窒素の発生量が6割以上減少することを確認。これにより、窒素肥料の利用効率の向上のほか、地下水汚染低減や温暖化抑制などに貢献できる可能性があるという。
情報源 |
(独)国際農林水産業研究センター プレスリリース
|
---|---|
機関 | (独)国際農林水産業研究センター |
分野 |
地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | 温室効果ガス | 土壌 | 肥料 | 植物 | 窒素 | 一酸化二窒素 | 国際農林水産業研究センター | 硝化 | 牧草 | アンモニア |
関連ニュース |
|