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 豊橋技科大など、南極の露岩域に生息する生物の多様性や群集構造の特徴を解明

発表日:2020.04.15


  豊橋技術科学大学などの研究グループは、南極の露岩域に分布する湖沼の堆積物を網羅的に解析し、多様な生物の生息状況を確認した。南極大陸には氷床に覆われていない露岩域があり、南極・昭和基地周辺のスカルブスネスおよびラングホブデ露岩域には大小50以上の湖沼が見られる。同研究グループは、次世代シークエンサーを用いて環境中に含まれるリボソームRNAの遺伝子配列を解析する手法を用いて、露岩域の湖沼や水たまり等から採取した堆積物試料を解析した。合計13地点の微生物群集構造を解析した結果、細胞が数珠つなぎに連なった形態のシアノバクテリアが幅広く分布し、単細胞のシアノバクテリア類の割合が少ないことが明らかになった。一方、真核生物では乾燥や低温に強いクマムシが幅広く分布していることが分かり、特定の真核藻類の優占も確認された。これらの知見は、南極大陸に生息する生物の有する低温・紫外線・凍結融解等ストレスへの適応機構解明につながることが期待できる。

情報源 豊橋技術科学大学 プレスリリース(PDF)
新潟大学 研究成果
海洋研究開発機構 プレスリリース
国立極地研究所 研究成果
機関 豊橋技術科学大学 新潟大学 海洋研究開発機構 国立極地研究所
分野 自然環境
キーワード 湖沼 | 南極 | 適応 | シアノバクテリア | 昭和基地 | 遺伝子配列 | 露岩域 | 次世代シークエンサー | 微生物群集構造 | クマムシ
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