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 宇都宮大と京大、シカの増加とヤマビル被害拡大の関連性を検証

発表日:2020.06.26


  宇都宮大学と京都大学は、「ニホンヤマビル」の吸血動物(宿主)を全国的に調べ、ニホンジカの増加がヤマビルの増加と関連する可能性を示した。両大学は、1990年代以降、全国的にヤマビルが増え、吸血被害が多数報告されるようになった原因として、シカなど大型哺乳動物の増加や分布拡大が指摘されていることから、ヤマビルの宿主を全国的に調査した。林内を歩行しながら、手足に付着したヤマビルを採集する方法(ヒトおとり法)を全国20県で行った。消化管に残る吸血液のDNAを解析した結果、ヤマビル1匹に対し宿主1種類を識別し、144匹分の宿主を明らかにした。内訳としてシカが約4割を占め、他の哺乳類とカエル類が約3割ずつであった。シカの分布地域では、ヤマビルのカエル類の吸血利用が有意に減少する一方で、シカの未分布地域では、カエル類が重要な宿主であった。シカの増加に伴って、ヤマビルの個体数増加や被害拡大が生じた可能性が考えられ、シカの管理がヤマビルの分布拡大対策として有効であることが示唆されるという。

情報源 宇都宮大学 トピックス
機関 宇都宮大学 京都大学
分野 自然環境
キーワード カエル | 採集 | ニホンジカ | DNA解析 | 分布拡大 | ニホンヤマビル | 吸血動物 | 吸血被害 | 大型哺乳動物 | ヒトおとり法
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