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 九大など、越境大気汚染が樹木の成長におよぼす影響を実証

発表日:2020.09.10


  九州大学、岐阜大学および富山県農林水産総合技術センター森林研究所は、アジア大陸からの大気汚染物質の減少が、ブナとスギの種間関係を変化させ、ブナの競争力を高める要因となっていることを明らかにした。大陸(中国や韓国など)で発生した大気汚染物質は日本へ輸送される間に、硝酸ガスやオゾン(O3)あるいは硫酸塩エアロゾルに変化し、既往の研究でO3がスギよりもブナにおいて悪影響を及ぼすことが報告されている。一方、中国では2006年以降、大気汚染対策が取られるようになり、また気候パターンの変化(2008-2013年の大陸からの西風の弱まった状態)により、流入する大気汚染物質の減少(日本周辺における対流圏O3濃度の低下)が見られている。今回、ブナとスギの幹直径増加速度を比較したところ、2002-2008年に比べ2008-2015年はブナの成長量が増加し、スギの成長量は減少気味であることが分かったという。

情報源 九州大学 NEWS
機関 九州大学 岐阜大学
分野 自然環境
大気環境
キーワード 九州大学 | オゾン | スギ | 大気汚染物質 | 富山県 | ブナ | 岐阜大学 | アジア大陸 | 種間関係 | 幹直径増加速度
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