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 帯畜大、野生植物の最重要「送粉者」を特定

発表日:2021.05.14


  帯広畜産大学を中心とする研究グループは、野生植物の花を訪れる昆虫(以下「訪花者」)の「送粉者(pollinator)」としての貢献度を総合的に評価した。蜜を盗むだけで受粉にほとんど貢献しない訪花者も存在し、植物保全の観点から送粉者の潜在力に着目した研究が進められている。同研究グループは、帯広市内の森林に自生するウバユリ(姥百合)の訪花者について、種ごとの訪問頻度や体表面あたりの花粉粒の数、訪問後の種子や果実の生産状況を調査した。その結果、「重要な送粉者」は3種で、「エゾトラマルハナバチ」の貢献度が、ほか2種(ホソヒラタアブ、コハナバチ)よりも高いことが明らかになった。一方、今回の調査で見つかったこれら3種以外の訪花者(アリ科の昆虫など)の貢献度は比較的低いことも分かった。帯広市周辺のウバユリ自生地は分断化されていることから、採餌のために広範囲・長距離を移動するエゾトラマルハナバチは極めて重要な役割を担っていることが示唆された。送粉者の基本情報として、種別の貢献度にかかる情報を加える必要があるという。

情報源 帯広畜産大学 ニュース
機関 帯広畜産大学
分野 自然環境
キーワード ミツバチ | 花粉 | 帯広市 | 訪花者 | 送粉者 | pollinator | 訪問頻度 | エゾトラマルハナバチ | ウバユリ自生地 | 採餌
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