北海道大学を中心とする研究グループは、鉛曝露リスクが高い地域で暮らす母親の「健康に関わる生活の質(HRQoL)」と母子の「血中鉛濃度(以下『BLL』)」の関係を明らかにした。同大学はザンビア共和国カブウェ地域において、鉛中毒による住民の健康被害を継続的に調査・報告している。今回、同大学大学院保健科学研究院の研究者らが加わり、鉛中毒による健康影響の全容解明に向けて、現地の母親404名とその家族を対象とするHRQoL評価を実施した。対象者の血液試料分析や国際的に使用されている質問票を用いた調査のデータを分析した結果、母親のBLLと子どものBLLは正の相関を示すことが分かった。一方、子ども(乳幼児〜青年)を年齢ごとに4つのグループに分けて回帰分析を行ったところ、子供の世帯平均BLL及び未修学期の子供のBLLは母親の「バイタリティ」および「メンタルヘルス」と、就学期の子どものBLLは母親の「メンタルヘルス」と、母親のBLLと自身のHRQoL項目(ドメイン)については「社会生活機能」のみと負の相関を示すことが分かった。母親の曝露状況等にかかわらず「子どもの鉛中毒は母親のHRQoLを悪化させる」と結論している。
情報源 |
北海道大学 TOPICS
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機関 | 北海道大学 |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | 血中鉛濃度 | 鉛中毒 | ザンビア共和国 | 鉛曝露リスク | HRQoL | カブウェ地域 | 住民の健康被害 | バイタリティ | メンタルヘルス | 社会生活機能 |
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