順天堂大学医学部総合診療科学講座の矢野教授と健康長寿産業連合会、JST共創の場形成支援プログラム「若者の生きづらさを解消し高いウェルビーイングを実現するメタケアシティ共創拠点」は、経済産業省主導の健康経営度調査データを用いた共同研究を行った。―――この研究では、経済産業省が毎年実施している「健康経営度調査」のデータを用いて、ライフスタイル(喫煙、運動、飲酒、睡眠習慣など)とメンタルヘルス関連の欠勤率や離職率との関連を評価した。分析には1,748社のデータが含まれ、メンタルヘルス関連の欠勤率の全体の平均は1.1%、離職率は5.0%であった。多変量回帰モデルを用いた結果、睡眠や運動習慣がメンタルヘルス関連の欠勤率や離職率に有意な影響を与えることが示された。一方、喫煙に関しては解釈に注意が必要である。―――本研究の成果を基に、企業は従業員の健康的なライフスタイルを支援するプログラムを積極的に導入することが期待される。これにより、従業員の生活習慣が改善されるだけでなく、メンタルヘルス関連の欠勤や離職を減少させる効果が期待できる。また、企業の健康経営の促進や従業員のモチベーションの向上にもつながる可能性がある。