酪農学園大学および北海道大学ほか2大学からなる研究グループは、家畜ふん便に含まれている薬剤耐性菌・薬剤耐性遺伝子の伝搬リスクを解明した。動物の感染症予防・治療にはさまざまな抗菌性物質が使用されており、農林水産省は薬剤耐性の拡散を抑制するために適切な用法・用量などを規定している。同研究グループは、抗菌剤耐性菌(ARB)の健康リスクや抗菌剤耐性遺伝子(ARG)の拡散を低減する手法の効率化を目指して、現行のふん便処理前後におけるARB数・ARG量の差異を調査した。国内の4農場で採集した乳牛のふん便サンプルを用いて、抗菌薬(テトラサイクリン、セファゾリン)耐性の指標となるARBの存在量などを測定した結果、「堆肥化」によってARBは減少するが、ARGは減少しないことが明らかになった。一方、「嫌気性消化」によってARB・ARG共に減少することが明らかになったことから、薬剤耐性の拡散を軽減する観点において嫌気性消化は堆肥化よりも優れていることが示唆された。これらの知見に基づき、ARB・ARGの拡散防止に配慮した堆肥・消化液の施用につながる、より効果的な処理法の提案が期待できるという。
情報源 |
酪農学園大学 プレスリリース
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機関 | 酪農学園大学 |
分野 |
ごみ・リサイクル 健康・化学物質 |
キーワード | 感染症 | 健康リスク | 堆肥 | 薬剤耐性菌 | 家畜ふん便 | 薬剤耐性遺伝子 | 抗菌性物質 | テトラサイクリン | セファゾリン | 嫌気性消化 |
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