国立環境研究所と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、日本最南端の有人島「波照間島(はてるまじま)」における大気観測により、中国のCO2放出レベルが2019年以前のレベルに戻っていることを明らかにした。波照間島は中国の汚染空気の影響をしばしば受けるため、同島で観測される「大気中CO2とCH4の変動比(ΔCO2/ΔCH4)」は、アジアモンスーンの影響を受けて中国のCO2放出量の変化を反映する。中国のほぼ全土で実施されたロックダウンの影響により、2020年2月に変動比の急激な減少が認められた(Tohjima, Y. et al. 2020)。今回、既往研究と同様の手法を用いて、2021年1~3月の変動比を解析した結果、変動比は2019年以前のレベルに回復していることが明らかになった。中国の経済活動が既に回復していることと整合する結果であり、中国と波照間島の位置関係(発生源と風下の関係)における変動比の観測は、発生源の放出強度の変化を推定する上で有効な手法である可能性を裏付け、国別・地域別温室効果ガス排出量の客観的な検証に役立つことを立証することができたと述べている。
情報源 |
国立環境研究所 報道発表
(国研)海洋研究開発機構 プレスリリース |
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機関 | 国立環境研究所 (国研)海洋研究開発機構 |
分野 |
地球環境 大気環境 |
キーワード | 大気観測 | 発生源 | 波照間島 | アジアモンスーン | ロックダウン | ΔCO2/ΔCH4 | 中国のCO2放出レベル | 中国の経済活動 | 放出強度 | 国別・地域別温室効果ガス排出量 |
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