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 鹿島、大型海藻類の種苗供給が随時可能に!ブルーカーボン創出も後押し

発表日:2022.07.05


  鹿島建設(株)は、大型海藻類を随時、大量培養できる技術を確立した。全国の沿岸域における藻場(もば)の衰退・消失が懸念され、久しい。藻場が水産資源を育む場であることは言うまでもないが、近年ではその多面的な機能(例:沿岸生態系保全)やCO2吸収源としての役割が注目されている。全国の藻場面積を見ると、「海藻藻場」が約75%と最も多く、次いでアラモ場(約20%)、スガモ場(5%程度)となっている(出典:環境省・藻場調査2018~2020年度)。海藻藻場は大型海藻類(コンブ科、ホンダワラ科、ワカメ類など)によって構成されており、低潮線直下から水深10m以上の岩礁域に大規模な群落を形成することから「海中林」とも呼ばれている。同社は海藻藻場の重要性をかんがみ、現在普及している海中林再生技術のブレイクスルーを試みた。開発技術は、一年生のワカメ類栽培(養殖)やそれらの品種改良に導入されている「フリー配偶体」技術をベースとしている。多くの地域で大型海藻類が消失しつつあること、海藻の生活史に委ねる方式では母藻(ぼそう)の入手時期が制約されるといった実情も考慮して開発が進められた。今回、同社技術研究所における試験培養および実海域における実証(於:神奈川県三浦郡葉山町)により、年間を通して、コンブ科の多年生大型海藻類(例:アラメ、カジメ)の種苗を生産・供給できることが確認された。アラメ等の種苗生産プロセスは2つのステップからなる。先ず、地域の藻場に生育するアラメ等を採取し、放出された胞子をオスまたはメスの配偶体として少量の液体中に長期間保存する。そして、任意のタイミングで配偶体を浮遊状態にし、人為的に成熟したメスの配偶体に卵を形成させる。地域の藻場再生計画に応じて、多年生の大型海藻類を効率的に再生することが可能となり、「遺伝的地域性」に配慮した持続的な「海中林」保全に適用できること等を訴求している。本技術は、ブルーカーボン創出に向けた地元漁業者やダイバーらとの協働取組にも活用されているという。

情報源 鹿島建設(株) プレスリリース
機関 鹿島建設(株)
分野 地球環境
自然環境
キーワード 藻場 | ブルーカーボン | 葉山町 | CO2吸収源 | カジメ | 藻場調査 | 海中林 | フリー配偶体 | コンブ科 | アラメ
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