国際協力機構(JICA)は、アジア開発銀行(ADB)がとりまとめた「ニントゥアン省陸上風力発電事業」に対する融資パッケージに参画した。融資先は、ベトナム系企業とフィリピン系企業(ACEN Corporation)が出資するプロジェクトカンパニー・BIM Wind Power Joint Stock Company。同社は、ベトナム最大のコングロマリットであり、同国屈指の再生可能プラットフォームを運用するBIMグループと提携している。ベトナムのエネルギー需要はCOVID-19のパンデミック下においても増加し続けた。同国政府は、2020年代から2030年の間の電力需要伸び率を年間9.1%と予測している。一方、9%のGHG削減(目標年次:2030年)を掲げ、再生可能エネルギーに由来する電源の構成を約15~20%に引き上げるとしている。当該事業によるCO2排出削減効果は年間およそ215,000トンと見積もられており、新たな電源の確保と気候変動対策の両立に資するものとなる。プロジェクトファイナンスの総額は1 億 700 万ドル。JICAとADBは、それぞれ2,500 万ドルを供与する。その他、Hong Kong Mortgage Corporation Limitedが1,300 万ドル、住友商事が 1,700 万ドル、三井住友銀行ほか2行が2,700万ドルを協調融資する。JICAによる同国の再生可能エネルギー導入支援としては、クアンチ省陸上風力発電事業(海外投融資)、フーイェン省太陽光発電事業(アジアインフラパートナーシップ信託基金)、省エネルギー・再生可能エネルギー促進事業(円借款)に次ぐ案件となる。引き続き、民間資金を用いた再生可能エネルギー事業を支援し、ベトナムの再生エネルギー開発を後押ししていくという。