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 “ピンポイントかつ直観的な ”熱中症リスク予測データ、教育機関への提供始まる(於:名古屋市)

発表日:2023.05.30


  名古屋市消防局と名古屋工業大学(以下「名工大」)は、同市の保育所・幼稚園・小中学校・高等学校・特別支援学校に向けて“ピンポイントかつ直観的な ”熱中症リスク予測データの提供を開始すると発表した。両者は、熱中症による救急搬送(人員)の予測技術開発に取り組んでいる(2020年~)。救急搬送ビッグデータと予測技術との融合を図る上で、中心的な役割を果たしているのは名工大・先端医用物理・情報工学研究センターの平田教授と小寺准教授。平田・小寺研究室は生体内の電気現象を「計算科学」で再現し、人の安全や医療に役立てる数々の試みを形にしてきた。他方、官学の共同研究は短期間に産官学連携プロジェクトへと進化した。「熱中症ゼロヘ」を推進している(一財)日本気象協会や、共創価値の創出をモットーとするNTTデバイスイノベーションセンタの参画によって、独自の熱中症セルフチェックアプリ、ウェアラブルデバイスを活用したリスク管理システム等が生み出され、既に社会実装の段階に移行している(内閣府「第4回 日本オープンイノベーション大賞・日本学術会議会長賞」受賞)。今回のデータは同研究室の研究力とノウハウを用いて詳細化されたもので、地域課題(例:熱中症患者の減少、救急体制の充実、救急事故の予防など)を重視した初の成果還元となる。過去の救急搬送データから発生頻度の高い屋外での発症を対象としており、1週間先までの予測値を園児・児童等の年代別に、時期による”暑さなれ“も考慮し、ボーダーラインなどを添えて提供するという。データの提供・指標化に当たっては、環境省の熱中症対策関連ワーキング委員を歴任した学識経験者の助言を得ており、外遊びや体育的な活動、学校行事の開催可否判断などにおける運用・定着化が期待される。

情報源 名古屋工業大学 プレスリリース
機関 名古屋市消防局救急部救急課 名古屋工業大学 中京大学スポーツ科学部
分野 健康・化学物質
キーワード 熱中症対策 | 熱中症リスク | オープンイノベーション | 消防組織 | 救急搬送ビッグデータ | 生体電気現象 | 計算科学 | 共創価値 | 救急事故 | 熱中症ゼロヘ
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