(公財)日本自然保護協会は、鹿児島県で照葉樹林のホットスポットとされる場所で進む2つの風力発電計画について危惧している。照葉樹林はかつて西日本に広範囲に分布していたが、スギやヒノキの植林地の拡大などにより、残存エリアは狭くなっている。鹿児島県の大隅半島はまだニホンジカの食害も少ないこともあり、林内の構成植物種数は400種を超える。同会はそんな希少な自然林で大型陸上風力発電計画2つが進行していることについて「自然科学への挑発」と反対姿勢を貫いている。発電計画の一つは、最大出力5万1600kW、高さ150m以上の風車を12基建設予定の「六郎館岳風力発電計画」(肝属郡錦江町/事業者:ジャパン・リニューアブル・エナジー(株))。林野庁が設定した「大隅半島緑の回廊」を分断するように計画されており、大隅半島の生態系の連続性が喪失する恐れがあるという。もう一つは最大出力20万kW、高さ150m以上の風車を32基建設予定の「垂水風力発電計画」(鹿屋市・垂水市/事業者:(株)ユーラスエナジーホールディングス)。計画予定地の約8割が鹿児島大学高隈演習林となっており、絶滅危惧の着生ランや腐生ランなどへの影響も懸念される。同会は、OECMや30by30の達成が求められている中でこのような計画が進むことは「時代への逆行」であると断言し「全力でこの事業が中止になるように尽力」すると話す。
情報源 |
(公財)日本自然保護協会 壊れそうな自然を守る
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機関 | (公財)日本自然保護協会 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 照葉樹林 | ユーラスエナジーホールディングス | 日本自然保護協会 | ジャパン・リニューアブル・エナジー | 鹿屋市 | 垂水市 | OECM | 大隅半島 | 錦江町 | 風力発電計画 |
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