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 対インドネシア技術協力:泥炭地の管理能力強化に向けて

発表日:2023.09.25


  国際協力機構(JICA)は、インドネシア共和国政府との間で「気候変動LULUCFセクター緩和プロジェクト」に係る合意文書を取り交わしたと報じた。同国に対する政府開発援助(ODA)事業展開計画は、都市インフラや地方部・島嶼部の生活基盤の整備に加え、気候変動対策の推進に係る対応能力の強化(以下「国際社会の課題」)を盛り込んだものとなっている。本プロジェクトは国際社会の課題解決を図るために位置づけられた技術協力プロジェクトのひとつ。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)においてLULUCF(Land Use, Land-Use Change and Forestry)分野、すなわち土地利用、土地利用変化及び林業セクターにおけるGHG排出削減・吸収量増大等が地球温暖化防止に貢献すると着目されている。インドネシアは2016年にLULUCF分野における緩和策を意識した国家戦略(REDD+、レッドプラス)を策定し、「自国が決定する貢献(Nationally Determined Contribution: NDC)」の数値目標をUNFCCCに提出している(2030年までに最大41%削減)。他方、1970年代前半からの森林開発、木材生産、鉱業の進展や農業・プランテーションへの土地転用、森林火災、違法伐採等により同国の森林率は著しく減少している。また、森林の伐採は熱帯泥炭地の乾燥を促し、大規模な森林火災を引き起こし、泥炭の分解促進に伴うGHGの大量放出が問題化している。世界第3位の熱帯林保有国であることから、NDCにおけるLULUCF分野の削減目標は高く設定されており、森林の保全と同時に“巨大な炭素貯蔵庫”とも呼ばれるインドネシア熱帯泥炭地の保全管理が喫緊の課題となっている。本プロジェクトでは、同国のNDC(LULUCF分野)達成に向けて、国および準国/州レベルで関連セクターのGHGインベントリ作成、GHG排出量の測定・報告・検証(MRV: Measurement, Reporting and Verification)プロセスに係る政策立案能力の強化、泥炭地からのGHG排出量にかかるモニタリングシステムの開発、環境や生態系へのリスクを減少するとともに経済発展が促進されるグリーン経済の促進、準国/州レベルでのREDD +の構築など、多彩な援助活動を展開する。

情報源 国際協力機構 ニュースリリース
機関 国際協力機構
分野 地球環境
環境総合
キーワード インドネシア | UNFCCC | ODA | MRV | REDD+ | 泥炭地 | GHGインベントリ | 技術協力プロジェクト | 自国が決定する貢献 | LULUCF
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