環境省は「PFASに関する総合研究」令和6年度新規課題を公募する(公募期間:令和5年12月26日~令和6年2月5日)。有機フッ素化合物の総称である「PFAS(ピーファス)」はフライパンや食品の包み紙など身近なものに使われてきたが、体に蓄積することから有害性が指摘されており、現在、国内で製造禁止となっている。曝露した動物の胎児に影響を及ぼすことなどの報告もある。同事業は、令和5年7月に公表した「PFASに関する今後の対応の方向性」を踏まえ、国内の研究を推進するために実施するもので、多くの種類が存在するPFASの中からリスク管理を行う優先度が高い物質(群)抽出のために必要な、PFASの有害性やその定量的な把握手法に関する研究を推進するもの。代表物質であるPFOS、PFOA等の次にリスク管理の優先度が高いと考えられる物質(群)について、物質群として作用、構造等が類似しているものを物質群として評価する、複合影響評価や管理を視野に入れ、その候補となる物質(群)を抽出し、健康リスクを適切に評価するための知見を得ることを目的としている。具体的には、動物実験、細胞実験等を用いた、生殖・発生、免疫系、発がん性等に対する影響に関する研究や、種差による作用機序の違いの解明を含む、複数物質の相対的な毒性強度の把握や作用機序に関する研究課題を募集するという。なお、同公募の応募に関する問い合わせ先は、日本エヌ・ユー・エス(株)となっている。