三菱マテリアルは、使用済みエアコンの室内機を自動で解体するシステムの販売を開始した。同社は長年の鉱山・選鉱技術を基盤に、家電メーカーと共同で全国的に家電リサイクル事業を展開している。エアコンは熱交換器などに使われる有価金属の量が多く、使用済みエアコンの半数が不用品回収業者を経て金属スクラップ業者で処理されている。政府は家電リサイクル法に基づき適正処理を促進し、リサイクルプラントでのエアコン受け入れ量の増加が見込まれる。こうした状況下で、同社はエアコン解体処理の能力向上を目指し、エアコン室内機の簡易解体装置を開発した。この装置はエアコン室内機の構造を考慮し、価値の高い熱交換器や電子基板を工具の使用なしに回収できる。同社のリサイクルプラントで約5年運用し、信頼性を確認した上で、労働力不足などの社会的ニーズに応え、外販を決定した。本装置導入により、エアコン解体の省人化と効率的な回収が可能になる。また、今後増加する使用済みエアコンの確実な処理を行い、家電リサイクルの適正処理を推進するという。