世界自然保護基金(WWF)は、地球の生物多様性の現状を科学的に分析した『生きている地球レポート2024』を刊行した。この報告書は、地球の生物多様性の豊かさと健全性に関する調査結果をまとめたもので、1970年から2020年の間に自然と生物多様性の健全性を測る数値「生きている地球指数(LPI)」が73%減少したことを明らかにしている。---WWFは、自然の損失と気候変動という2つの連鎖した危機により、地球が危険な転換点に直面していると指摘している。2030年に向けた今後5年間の各国政府や民間セクターの取り組みの重要性がかつてないほど高まっていることを強調している。また、自然環境保全のあり方、食料システム、エネルギーシステム、金融システムの4つの分野での変革の必要性を訴えている。特に、淡水域の生態系が最も大きな影響を受けており、河川や湖沼、湿地などの自然に生きる淡水魚や両生類が非常に高いストレスを受けていると指摘している。