東邦大学の研究グループは、東京湾奥部の干潟底質に生息する環形動物の一種であるイワムシ(Marphysa sp. E sensu Abe et al. 2019)が、多環芳香族炭化水素(PAHs)を高濃度に含む還元有機泥を摂取・排泄することで、PAHs濃度を急速に低下させることを明らかにした。研究では、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて、糞及び還元有機泥中のPAHs濃度の時間変化を調査。その結果、PAHsの急速な濃度低下は還元有機泥がイワムシの消化管を通過することで起こることが判明した。これにより、イワムシは東京湾の環境浄化に寄与していると考えられる。本研究成果は、2024年9月21日に英文学術雑誌「Marine Pollution Bulletin」にて発表された。