産業技術総合研究所(産総研)を中心とする研究チームは、下水汚泥焼却灰から回収した粗リン酸を直接的にエステル化し、リン酸トリブチルを合成する技術を開発した。──これまで、リン酸の直接的エステル化反応はほとんど例がなく、既存の報告もリン酸モノエステルやジエステルの合成に関するものであった。産総研らの技術は、リン酸を直接的にエステル化することで、難燃剤や可塑剤として利用可能なリン酸トリエステルを生成するものである。下水汚泥焼却灰と強酸性陽イオン交換樹脂を水溶液中で混合し、リン酸を選択的に抽出した。得られたリン酸抽出液を減圧下で濃縮し、テトラアルコキシシラン(TROS)を用いてエステル化反応を行い、「リン酸トリブチル」をグラムスケールで合成することに成功した。──本成果は、従来の黄リンを原料とするプロセスを代替するものであり、国内の未利用リン資源の有効活用に寄与する。技術のさらなる発展により、リン資源のサプライチェーンを強化し、資源循環型社会の実現に貢献することが期待される。
情報源 |
産業技術総合研究所 ニュース(研究成果)
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機関 | 産業技術総合研究所 |
分野 |
ごみ・リサイクル |
キーワード | ケミカルリサイクル | 難燃剤 | 可塑剤 | 資源循環 | リン酸トリブチル | テトラアルコキシシラン | 下水汚泥焼却灰 | リン酸 | エステル化 | 未利用リン資源 |
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