三井化学、萩原工業、丸喜産業および日本電気(NEC)の4社は、再生プラスチックの品質安定化と製造工程の効率化に向けた協業を開始した。NECが提供するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術を中核に据え、再生プラスチック製造時の粘度変動に対応するリアルタイム制御システムの構築を目指す。
再生プラスチックの原料となる廃プラスチックの性状は日々変動し、規格化されたバージン樹脂に比べて粘度や強度に大きなばらつきが生じやすい。そのため、従来の前処理工程では試行錯誤的な手順が増え、最適な材料設計や製造条件を導き出すまでに相当の時間と労力を要していた。
こうした課題に対し、4社はAIや機械学習を活用して材料開発を加速するMI技術に着目し、再生プラスチック製造の高度化と効率化を図る取り組みを開始した。
本協業では、三井化学と萩原工業が共同開発した粘度均一化装置を用い、丸喜産業の工場で得られた粘度データをNECのMI技術で解析するといった流れで、再生プラスチック原料の粘度をリアルタイムで計測・制御しながら材料投入を最適化すると同時に、品質の安定化と製造工程の簡素化を図る。4社は、従来の樹脂や添加剤を均一に混合するプロセス(タンブリング工程)が不要となり、製造時間の25%削減が実現すると想定しており、ひいては粘度データに基づく添加剤の最適配合が可能となると目論んでいる。
今後、粘度制御の自動化・最適化を実現するシステムの実証なども進め、再生プラスチックの製造現場における省力化と資源循環の高度化を目指す。また、本協業の中間成果を2025年10月7日開催のJAPAN PACK 2025で紹介するという。
情報源 |
三井化学 ニュースリリース
萩原工業 ニュース 丸喜産業 NEWS NEC プレスリリース |
---|---|
機関 | 三井化学(株) 萩原工業(株) 丸喜産業(株) 日本電気株式会社(NEC) |
分野 |
ごみ・リサイクル |
キーワード | 資源循環 | 持続可能な社会 | 再生プラスチック | マテリアルズ・インフォマティクス | AI活用 | 粘度制御 | 製造工程効率化 | 粘度均一化装置 | タンブリング工程 | 自動化システム |
関連ニュース |
|