北海道大学低温科学研究所・北極域研究センターと国立極地研究所らの国際共同研究グループは、氷の融解、強い雨、潮の満ち引きが相まって、氷河の流動を加速させていることを確認した。──気候変動リスクを巡っては、氷河の融解が海水準上昇に与える影響が注目されてきた。しかし、氷河の流動加速メカニズムについては未解明な点が多い。本研究では、6年間にわたり、グリーンランド氷河の変動をGPSを用いて連続測定し、気温、降水量、潮汐と氷河流動速度の関係を解析した。その結果、日周期や半日周期に応じた氷河変動が確認され、気温の高い昼間や強い雨の後、潮が引いた時に氷河が加速することが示された。この知見は、融け水や雨水が氷河の底を潤滑し、海水面の変動が氷河の支えを失わせることで、氷河の流動加速が進むことを意味している。──本成果は、氷河流動の加速が海水準上昇に与える影響をより正確に予測するための足がかりとなるものである。今後、数値モデルの適用を図ることで、2100年までに高精度化(最大1~1.5メートルの海水準上昇予測)に貢献することが期待される。
情報源 |
北海道大学 プレスリリース(研究成果)
国立極地研究所 研究成果 |
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機関 | 北海道大学 国立極地研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | グリーンランド | 降水量 | 潮汐 | 気温変化 | 海水準上昇 | カービング氷河 | 氷河流動 | GPS測定 | 融け水 | 氷河変動 |
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