環境省は「ネイチャーポジティブ(NP)に資する製品」に対する消費者の購買行動を調査した。──同省は2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向けて、国民・消費者の行動変容とライフスタイル変革を推進している。カーボンニュートラルの実現には、自然資源の持続可能な活用が必要であり、NP・サーキュラーエコノミーとの統合的な取り組みが重要とされている。今回、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動(デコ活)」の一環として、NP製品の市場活性化キャンペーンを実施し、消費者の購買行動を調査した。一方、消費者がNP商品を選択する際に影響する情報を把握するために、ECサイトや宅配事業を含む小売店にウェブアンケートを行い、AI探索を活用して具体的な介入案を検討した。各協力機関と連携し、2023年4月1日~6月30日までは介入策を導入せず、同年7月1日~9月30日まで介入策を採用する2段階の調査(実証試験)を行った結果、介入策によって購入率が増加することが確認された。──【具体的な知見(Tips)】①自然豊かな地域で生産されたことを示す写真や説明が、消費者の購買意欲に大きな影響を与えることが確認された。特に、自然環境の豊かさを視覚的に示すことで、消費者の関心を引きやすくなる。②認証ラベルに加えて、そのラベルが意味する配慮事項に関する情報を提供することで、消費者の購買意欲が高まることが示された。具体的には、「持続可能な原材料」で作られている説明を追加することで、購入率が17.71%増加した。③生産者の顔や生産地の詳細な情報を提供することで、消費者の信頼感が高まり、購買意欲が向上することが確認された。特に、生産者の顔が見えると感じた場合、消費者はその商品に対してより親近感を持つようになる。──これらのTipsは、今後J-GBF行動変容ワーキンググループで共有され、さらなる消費者行動の変容を促進するための基礎資料として活用される予定である。