環境省は「化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)-化学物質や廃棄物の有害な影響から解放された世界へ-国内実施計画」を策定した。──GFCは2023年9月にボンで開催された第5回国際化学物質管理会議で採択された枠組み。「国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM)」を後継するものであり、環境と人の健康を保護するために化学物質と廃棄物の有害な影響を防止または最小化することを目的としている。GFCは、5つの戦略的目的と28の個別ターゲットを設定し、化学物質のライフサイクルを通じた管理を目指している。──日本では、GFCの採択を受けて、これに基づく国内実施計画を策定するため、2024年4月にGFC関係省庁連絡会議が設置された。さらに、市民、労働者、事業者、行政、学識経験者等の様々な主体が参加する「化学物質と環境に関する政策対話」での議論も取り入れながら、環境省が保健対策の一環としてGFC国内実施計画(案)を取りまとめた。2025年2月18日から3月21日までの間に実施されたパブリックコメントの結果も公表されており、今後はGFC国内実施計画に基づき、関係省庁との連携を深めつつ化学物質管理の取組を進めていく予定である。具体的な取組事項として、法的枠組みの整備・実施・執行、不法貿易・取引の効果的な防止、国内禁止物質の輸出規制、中毒センターの利用とリスク防止・研修、高有害性の農薬の段階的廃止・代替などが挙げられている。また、化学物質データ・情報の生成・利用、材料・製品中の化学物質情報の利用、排出・生産データの生成・利用、ガイドライン等の利用、教育・研修・啓発、GHSの実施、モニタリング及び監視データの生成・利用なども重要な要素となっている。