海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、単細胞動物プランクトン「フェオダリア」による深海への炭素輸送量を世界で初めて定量化した(掲載誌:Progress in Earth and Planetary Science)。
フェオダリアはケイ酸塩の骨格を持ち、海洋沈降粒子としてCO2を深海に運ぶ役割があるが、特に1 mm未満の微小サイズの種による炭素輸送量はこれまで測定が困難であった。本研究では、西部北太平洋亜寒帯域において、プランクトンネット観測とセジメント・トラップを用いてフェオダリアの遺骸を採取し、超高感度元素分析技術と体積-炭素量の関係式を併用することで、炭素残存率を推定した。その結果、1mm未満のフェオダリアが全フェオダリアによる炭素輸送の約6割を担っていることが判明し、海洋沈降粒子の有機炭素輸送量に対して平均3.5%の割合を占めることが示された。特に深海に生息する種ほど炭素残存率が高く、CO2の長期隔離に寄与している可能性がある。
情報源 |
JAMSTEC プレスリリース
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機関 | 海洋研究開発機構(JAMSTEC) |
分野 |
自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | 炭素輸送量|フェオダリア|海洋沈降粒子|微量元素分析|体積-炭素量関係式|セジメント・トラップ|炭素残存率|トワイライトゾーン|CO₂隔離|単細胞プランクトン |
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