ティーエスピー(本社:広島市南区)は、神社仏閣や景観建築における再エネ導入を可能にする新製品「ペラペラ太陽光(瓦)」の販売を開始した。
同社は、厚さ2〜3mm・重量2.87 kg/㎡の軽量・薄型構造を持ち、湾曲面や旧耐震建物にも設置可能な柔軟性を有する「ペラペラ太陽光」を主力商品としており、太陽光パネル業界の大手メーカーとは異なる立ち位置でニッチ市場に特化したさまざまな技術提案を行っている。全国に約15万社存在する神社仏閣や歴史的建造物においては、景観保護や構造制限の観点から太陽光パネルの設置が制限されてきた。その一方で、参拝者や来訪者への配慮から、断熱性・気密性の低さから冷暖房コストが高くなる傾向も指摘されていた。今回の製品は、これらの課題に対する具体的な技術的解決策となるもの。
本製品は単結晶シリコン(N型TOPCon)を採用し、最大変換効率は23.8%に達する。サイズは一般的な和瓦2枚分(685×420 mm)で、最大出力は50W。黒・灰・赤・金の4色展開により、景観との調和を図りつつ、柔軟な設置提案が可能である。設置には専用の両面テープを使用するため、木部への負担や雨漏りリスクを軽減できる。従来のビス固定を不要とすることで、施工性と安全性を満足している。
同社はこれまで、重塩害地域や仮設施設などの従来設置が困難だった場所への「ペラペラ太陽光」導入を提案してきた。中国の住宅需要などもビジネスチャンスととらえてきたが、今回の国内瓦規格対応モデルの開発を契機として、法人向けの再エネ導入支援を継続するという。