東京大学と東京電力パワーグリッドは、グリーントランスフォーメーション(GX)の推進に向け、電力(ワット)と情報通信(ビット)を連携させた最適化モデルの社会実装に取り組む共同プロジェクトを開始した。2025年度中に東京大学本郷キャンパスをフィールドとして、世界初のワット・ビット連携モデルの構築と実証を目指す。
「ワット・ビット連携」とは、電力需給(ワット)と計算処理・通信(ビット)を相互に最適化する次世代インフラ整備の概念であり、GX2040ビジョン(令和7年閣議決定)にも位置づけられている。東京大学では、キャンパス全体の電力消費とカーボンフットプリントの可視化、設備稼働のデジタルツイン化を通じて、電力の最適制御と行動変容を促すモデル構築を進める。一方、東電PGは、再生可能エネルギーの導入拡大やデータセンターの電力需要増加に対応するため、既存設備の有効活用と地域間広域ワークロードシフトの実現を目指す。両者は、電力需給状況に応じて計算処理の実行場所を動的に制御する「適地・適時処理」モデルの構築にも着手しており、電力課題の解消とインフラ整備の効率化に資する。
本プロジェクトは、東京大学GX戦略推進センターが主導する取り組みであり、キャンパスを「まち」と見立てた社会実装型のGXモデルとして展開される。