立命館大学は、情報通信研究機構(NICT)およびNTTデータ経営研究所と共同で、働く人々が日々の感謝を記録する『感謝日記』によって「ワーク・エンゲイジメント」が向上することを実証した(掲載誌:BMC Psychology)。
本研究は、企業に勤務する社会人100名を対象に、12日間のオンライン介入を実施し、感謝日記群において「没頭」などの心理指標が有意に改善されたことを示した。ワーク・エンゲイジメントとは、活力・熱意・没頭の3要素からなる仕事に対するポジティブな心理状態であり、個人の幸福感や生産性、メンタルヘルスに密接に関係する。本研究では、感謝に注意を向けることで、上司・同僚・家族からの支援といった「仕事の資源」への認識が促進されることが、JD-Rモデルに基づいて分析された。計量テキスト分析では、感謝日記群において「ありがとう」「助かる」などの語が多く出現し、ポジティブな感情の活性化が確認された。
日本は世界的に見て働きがいの水準が極めて低く、ギャラップ社の調査では140カ国中135位とされている。こうした状況に対し、本研究は科学的エビデンスに基づく低コストかつ簡便な介入手法を提示した点で社会的意義が大きい。感謝日記は、職場のウェルビーイング向上に資するだけでなく、教育現場における学習モチベーションの向上にも応用可能性がある。なお、本研究は、(一社)応用脳科学コンソーシアム「Well-living for Well-being研究会」の一環として実施され、日本能率協会マネージメントセンターおよび立命館大学稲盛経営哲学研究センターの支援を受けている。――もし「自然環境への感謝」を日々記録するような習慣が広がったら、環境保全への意識や行動にも、思いがけない変化が生まれるのかもしれない。感謝の視点が、科学と社会の間に新しい橋を架けることもあるのではないだろうか。
| 情報源 |
立命館大学 プレスリリース(メディア向け)
NICT プレスリリース NTTデータ経営研究所 ニュース・リリース |
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| 機関 | 立命館大学 情報通信研究機構(NICT) (株)NTTデータ経営研究所 |
| 分野 |
健康・化学物質 環境総合 |
| キーワード | 生産性向上 | メンタルヘルス | ウェルビーイング | 感謝日記 | ワーク・エンゲイジメント | JD-Rモデル | 心理介入 | 職場支援 | ポジティブ感情 | 働きがい |
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