国土交通省道路局は、北海道開発局および沖縄総合事務局と連携し、動物との交通事故(ロードキル)を防止するための「データ駆動型ロードキル対策」の導入を開始する。
直轄国道におけるロードキル事案は年間約7万件(令和4年度)を数え、事故件数は高止まりを示している。こうした状況を踏まえ、同省は本年6月に、北海道地方環境事務所・沖縄地方環境事務所、北海道・沖縄管内の所轄警察のロードキル情報を集約し、ロードキルデータベースを構築するとともに、エゾシカ(北海道)やケナガネズミ・ヤンバルクイナ(沖縄)における事故の発生傾向を分析してきた。
今回、同省はロードキルデータベースに基づき、事故多発地点・時期・時間帯を特定し、モデル地区(北海道苫小牧市、沖縄県国頭村)において、既存の対策(路面表示、情報板、注意喚起ポスター等)の効果を測定する(指標:事故件数・走行速度の変化等)。今後は、より効果的な現地対策の在り方を検討し、全国の直轄国道へ展開する方針だ。本施策は、ネイチャーポジティブ社会の実現に向けた国土交通省の環境政策の一環であり、道路分野における生物多様性保全と道路交通の安全性向上の両立を目指す取り組みとして位置づけられている。